「何かいい案ない?」
そう聞かれて困った経験はありませんか?
苦し紛れに言ったものが評価されることもあれば、「そこまで言う!」ってほど突っ込まれることも。
しまいには「普段から自主的に考えておかなければダメ」と、ご指摘いただくこともあるかもしれません。
そこで今回は「アイデアの作り方」について書かれた書籍をご紹介します。
パン屋ではおにぎりを売れ ~想像以上の答えが見つかる思考法~
今回取り上げる本は『パン屋ではおにぎりを売れ ~想像以上の答えが見つかる思考法~』です。
編集者として50冊以上のベストセラー(『はじめての人のための3000円生活』など)を生み出してきた柿内尚文さんの著書になります。
考えるとは何か
「考える」とは、「目的を達成するために考えること」。
なにか解決したい課題があったり、やりたいことがあって、それを達成するための思考が、「考える」ことです。
なので「思う」とは違います。「思う」は頭に浮かんでくる、感じたことだからです。
目的達成のために意識的に思考することが「考える」になります。
ただ、その「考える」には技術が必要。やみくもに考えてもダメだと、柿内さんは言います。
もっとしっかり考えて!
これは「目的達成のためにどうすればいいと思う?」ということかもしれません。
考えるには方程式がある。
「考える技術」というと難しそう。しかも方程式だなんて数学みたいです。
でも柿内さんの言う、「考える方程式」はとてもシンプルでした。
考える=「広げる」+「深める」、だそうです。
「広げる」とは、可能性を考えていくこと。
今まで存在しなかったものを生みだしたり、新しい価値をつくっていくことです。
「深める」とは、本質的価値を考えていくこと。
「そもそも」や「何で?」を考えていくことです。
アイデアの生み方
アイデアを生み出すには3つのステップが必要だと、柿内さんは言います。
①ゴール(目的・目標)を決める
②インプットして現状を整理する
③「広げる」+「深める」で考える
ゴールを決める
思考の迷路に迷い込んでしまうことはありませんか?
その理由は、ゴールがハッキリしていないことにあるそうです。
すべての思考には、まずゴール(目的)の設定が必要。
悩みの多くは、ゴールがわからなくなることで起きています。
目的があれば、意思決定もできる
その時も、目的を意識することが大切。
「わたし」ではなく「目的」が、どちらにするのが良いかを選んでくれます。
インプットして現状を整理する
「考える」は無理やりひねり出すのではなく、現状の整理から始めます。
整理のポイントは、次の3つです。
①課題を決める
②必要な情報をインプットする
③インプットした情報を整理する
まず課題の設定です。「ゴールに向かうための課題はなにか」を決める。
たとえば、ゴールが「お見合いの成功」なら、課題は「相手から好意を得るには」になります。
次に、必要な情報のインプットです。課題を解決するための情報を手に入れます。
情報を探すさいに大切なのは、必ず目的と課題を意識すること。日々触れるたくさんの情報のなかから、自身に必要な情報が目に留まりやすくなります。
そして情報のインプットが完了してから、「考える」ことを始めます。
ロジカルシンキング=「考える」ではない
考える=「論理的思考」と思われがち。
でも実は、考えるには「論理的に考える」と「非論理的に考える」の2つがあるとのこと。
論理的思考が不得意としがちな、全く新しい商品を世に生み出すこと(「広げる」)などは、非論理的思考が有用だと言います。
たとえば大ヒットした「ガリガリ君コーンポタージュ味」。
アイスにコーンポタージュを組み合わせるなんて、論理的には思い付きづらいですよね。
考えを「広げる」方法
考える=「広げる」+「深める」こと。
では実際に「広げる」とは、どうやればいいのか。
柿内さんは、6つの方法を紹介しています。
かけ合わせ法
言葉と言葉を、ひたすら掛け合わせる方法です。
「乳酸菌ショコラ」や「ロボット掃除機」「ハンディー扇風機」など、ヒット商品の多くが「かけ合わせ法」から生まれています。
とにかく数を出す
そして「言われてみれば納得」「『新しさ』と『共感』がある」「なにかできそうかも」「これ実行したら効果ありそうかも。面白そうかも」な掛け合わせを探します
数珠つなぎ連想法
マインドマップのように、「問い」を中心に立てて、思いつくものを連想させていく方法です。
たとえば、みらい絵のコンセプトの「一緒に彩る、あたたかいみらい。」
「みらい」というテーマを置いて、「みらい」⇒「幸せ」⇒「あたたかい」⇒「1人で?2人で?」⇒「一緒」⇒「過ごす」⇒「明るく」⇒「楽しく」⇒「いっぱい」⇒「カラフル」⇒「色」⇒「色々」⇒「彩り」など、書き連ねたものを組み合わせて生まれました。
ずらす法
今あるものを、別の視点から捉えなおす方法です。
たとえば、日本人が大好きな明太子。
ニューヨークの博多料理店が「タラの卵」とメニューに書いたときは、全然注文されなかったそうです。
しかし「ハカタ スパイシーキャビア」に変えたところ大ヒットに。
商品自体は変えていないのに、言い方を「ズラす」ことで新しいアイデアが浮かんだ事例です。
「ずらす」ときは5W2H
「ワンダ モーニングショット」は、「When(時間)」を朝にズラして考えたことで生まれったヒット商品です。
脱2択
A or B ではなく、A and B 。どっちも取るための方法を考えてみることです。
2つを満たせるものを開発できれば、新しい市場を開拓し、ヒットする可能性があります。
まとめる法
ニッチなものも、まとめると魅力を増します。ある特定の領域に絞ってインプットし、その魅力や価値をアウトプットする方法です。
たとえばB級グルメフェスタなどは、各地のB級グルメを1か所にまとめてイベント化したものです。
あったらいいな
こんな商品やサービスがあったらいいな、からスタートする方法です。
ひみつ道具を頼むのび太になったつもりで、「あったらいいな」を考える。
考えを「深める」方法
続いて「深める」方法です。
こちらでも6つを、柿内さんは紹介します。
360度分解法(いいとこ探し)
真ん中にテーマを置き、「メリット・デメリット」や「良いとこ・ダメなとこ」をを書き出す方法です。
そして長所を短所に、短所を長所に変換します。
物事の良し悪しをどちらも見つめながら、考えを深めていきます。
ポジティブ価値化
マイナスイメージなもの、ネガティブなもの、ダメだとされるもの、否定的に思われやすいものに、逆にポジティブな新しい価値(立ち位置)を探していく方法です。
良い方向に目を向けることで、奥行きのある考え方ができるようになります。
自分ゴト、あなたゴト、社会ゴト
相手の視点や社会的な視座から物事を考える方法です。
人を説得したいときや、興味を持ってほしいときに使えます。
たとえば、お見合いやデート。
お相手に関わることを話題にすると、話が弾みやすくなります。
また会ったばかりで場があたたまっていないときなどは、天気や時事的なことのような共通の話題に触れると、お相手も乗り出しやすくなります。
すごろく法
目的・ゴールから逆算して、細かいフローチャートを作る方法です。
各ポイントで、何が障害となりそうか、何をすべきかを考えられるようになります。
いわゆる逆算思考です。
正体探し
人の心の中にある「見えない心理(無意識)」を考えることです。無意識を明らかにできると、「そうそう、こういうのが欲しかった!」のような共感が生まれやすくなります。
その探し方のポイントとして「比較」があるとのこと。
何故そっちを選ぶのかなどの理由を想像していくことで、相手の心理に近づいていくことができます。
キャッチコピー法
ニューヨークで「ハカタ スパイシーキャビア」と名称したことで明太子がヒットしたように、「伝え方」がとても大切。
キャッチコピーのようなフレーズ化することで、人の興味を引くことができます。
その伝え方を高める方法として、言葉貯金をつくることが有効とのこと。
目にしたり、聞いたりしたよい言葉を、日ごろからストックすることが大切です。
常識を疑い、ツッコミを入れる気持ちで
「広く」「深く」考えるポイントとして、柿内さんは「疑う」と「つっこむ」を挙げます。
そのためには「性悪視点」を持つことが大事とのこと。
いい人の視点は、基本なんでも「イエス」になってしまう。
だからこそ「性悪視点」で、まずは疑うことから始めてみることが大切です。
それって本当に当たり前なの?
それっておかしくない?
その視点を持つことで、「広く」「深く」考えやすくなります。
終わりに
今回は「アイデアの作り方」の参考書籍として、『パン屋ではおにぎりを売れ ~想像以上の答えが見つかる思考法~』をご紹介しました。
ご紹介したのは書籍の3/5章ほどです。
また大分端折っているところもあります。
詳細をもっと知りたい方は、ぜひ書籍を購入してみてください。
また書籍紹介は今後も定期的に行います。
ご紹介時はTwitterやFacebookでアナウンスしますので、キャッチしたい方はフォローしてみてください。
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