消費者を守る制度であるクーリングオフ。
それは結婚相談所サービスも適応対象です。
クーリングオフに関する規定
結婚相談所にご入会いただく際、以下の書類に署名捺印する必要があります。
- 重要事項説明書
- 入会申込契約書
- 会員規約
重要事項説明書(重説)は賃貸契約のイメージが強いのではないでしょうか?
結婚相談所サービスは「特定商取引法」に定められた「特定継続的役務提供」の指定役務なので、重説も必須となります。
重説と契約書の役割のイメージとしては、
・詳細に書かれたものが契約書
・契約書のなかでも特に重要なものを記したものが重要事項説明書となります。
たとえばみらい絵では、この2つの書類にクーリングオフに関しても記載されています。
それは次のような内容です。
1.会員は、結婚相手紹介サービス入会申込契約書を受領した日から8日間を経過するまでは、書面により会員登録に関する契約の解除(クーリング・オフ)ができます。
契約締結から8日間以内に、書面でクーリングオフを申し出ることで、契約を解除することができます。(書面の書き方は後述)
2.会員は、当社若しくはその役職員が第1項に定める事項について故意に事実を告げず又は不実のことを告げたことにより誤認し、又は当社若しくはその役職員が威迫したことにより困惑し、そのために第1項の解除を行わなかった場合、当社から第1項に定める解除ができる旨の書面を受領した日から8日を経過するまでは、書面により会員登録に関する契約の解除ができます。
第1項を補うためのものです。
たとえばクーリングオフの期間を「契約から5日間」と偽って告げられたため、本来はクーリングオフできたはずなのにできないと思い込んでしまったとします。
その際、事業所側は正しいクーリングオフの在り方を改めて告げなくてはならず、利用者はその告知日から8日間までクーリングオフできるようになります。
3.第1項の解除は、その解除を行う旨の書面を発したときにその効力を生じます。
クーリングオフは、書面を発した日に有効となります。
事業所側が書面を受け取った日ではないことがポイントです。
4.第1項の解除があった場合において、当社は、その解除をした会員に対し、その解除に伴う損害賠償又は違約金の支払いを請求することはできません。
クーリングオフされたからといって、事業所側は利用者に不当な請求をしてはなりません。消費者が安心してクーリングオフできるようにするための条文です。
5.第1項の解除があった場合において、既に一部のサービスが提供されていても、当社は、その解除をした会員に対し、サービス料その他の金銭の支払いを請求することはできません。
事業所側はクーリングオフされるまでにサービスを提供していたとしても、そのサービスに値する金額を請求することはできません。
たとえばIBJシステムに会員を登録したとしても、クーリングオフされた際は登録料を全額返さなくてはなりません。
(みらい絵では登録料を別途いただいてはおりません)
結婚相談所サービスの料金システムや価格相場などはこちらのコラムをご参照ください。
6.第1項の解除があった場合において、当社がその解除をした会員から金銭を受け取っているときは、速やかにその解除をした会員に対しこれを返還しなければなりません。
たとえば入会金を支払っている場合、クーリングオフした利用者は全額を返してもらうことができます。
どの条目も消費者を守るために欠かせないものです。
クーリングオフの書面の書き方
クーリングオフの書面はハガキでも可能です。
ただ郵便職員に内容を見られたくない場合は、便箋にするのがオススメです。
具体的な書き方は、国民生活センターに見本がありますので、そちらをご参照ください。
http://www.kokusen.go.jp/soudan_now/data/coolingoff.html
クーリングオフの書面の送り方
クーリングオフは書面を発した日に有効となります。
相手方に「届いたのは契約から10日後だから無効だ」など言われないためにも、発送日を明確にすることが大切です。
そのため「特定記録郵便」または「簡易書留」で送ることがオススメです。
なお、最善なのは「内容証明」を利用することです。
いつ、いかなる内容の文書を誰から誰あてに差し出されたかということを、差出人が作成した謄本によって郵便局が証明してくれます。
書面の発送日だけでなく、その内容まで保証してもらえます。
クーリングオフが書面である理由
クーリングオフするために書面を作成することは、面倒だと思いになる方もいるかと思います。
書面に限定される理由としては、電話や対面などの口頭だと、引き止めにあってしまったり、「担当者不在です」と引き延ばされてクーリングオフ期間が過ぎてしまう恐れがあるからです。
書面はメールでもOK?
残念ながら、現在の法内容では、クーリングオフの通知はメールでは認められていません。
ただ2021年2月5日に井上信治消費者相は、クーリングオフの通知を電子メールなどでもできるよう法改正する意向を明らかにしました。
実現がいつになるかは分かりませんが、政府としても見直しの動きが出ている模様です。
終わりに
以上がクーリングオフの概要になります。
ただ、そもそもクーリングオフしたいと思ってしまうような事態が起こってしまわないことが重要です。
そのためにも、ご入会前に信頼関係を築き、誠実な対話を重ねていくことが大切だと思っています。
サービスに関してご不明な点がございましたら、ご入会前にいくらでもお問い合わせください。
サービス提供者と受給者ではなく、ひとりの「人」と「人」として対等な関係性を築けると嬉しく思います!